2021年6月22日 浜松市の三ケ日中学校で、講演しました。全校生徒約310人を前に「かけがえのない命」と題して花菜のことや夢のことや同級生たちのことを話しました。みんなまっすぐに聞き入ってくれていました。感想もいただき、それぞれが「いのち」について感じてくれたように思います。西野友章
<中日新聞引用2021.6.23>
「かけがえのない命」
2010年6月、浜名湖での集団訓練中にカッターボート転覆事故で一人娘の花菜さん=当時12、愛知県豊橋市章南中1年=を亡くした西野友章さん=同市=が22日、浜松市三ケ日中学校(北区)で「かけがえのない命」と題して講演し、全生徒約310人が耳を傾けた。生徒向けに話すのは初めてで、「自分の命も他人の命も、共にかけがえのないもの」などと呼びかけた。
西野友章さん22日、浜松市三ケ日中学校(北区)で「かけがえのない命」と題して講演し、全生徒約310人が耳を傾けた。生徒向けに話すのは初めてで、「自分の命も他人の命も、共にかけがえのないもの」などと呼び掛けた。
西野さんは冒頭、事故直前に花菜さんが希望いっぱいに描いたボート訓練のイラスト画像を紹介。生前に記した文集で「将来は医師になりたい。病気やけがに苦しむ人を救いたいから」とつづっていたことを明かし、防げたはずの事故でその夢が砕かれた無念さを訴えた。
西野さんはこれまで、教員や教育施設職員向けの講演依頼を多数受けてきたが、生徒向けに話すのは十一年間で初めて。「花菜の死という失敗から学び、子どもを守っていくのが大人の役割」と力を込めた。
三ケ日中では19年と今月初旬、かつての花菜さんと同じように県立三ケ日青年の家(同区)で宿泊研修し、生徒がボート訓練を体験した。二年前にパドルを握り、「自分たちは安全に訓練できた」と語る若松湧生さん(3年)は「西野さんの話を聞き、改めて命の大切さを学ぶことができた」と感想を述べた。(引用おわり)
<朝日新聞2021.6.27より引用>
「救えた命を忘れないで」
西野さん生徒向け講演
浜名湖でのボート転覆事故で11年前に中学1年の一人娘を失った愛知県豊橋市の西野友章さん(62)が22日、浜松市北区の市立三ケ日中学校で「かけがえのないいのち」をテーマに講演した。三ケ日中は事故があった浜名湖の地元。同じ中学生に命の重みを考えてほしいと西野さんを講師に招いた。
浜松市は、いじめを苦に2012年に中学2年の男子生徒が自殺した6月12日を「命について考える日」に定めており、今回の講演会は取り組みの一環。西野さんは豊橋市などで教職員向けの講演を続けているが、生徒向けに話すのは初めてという。
西野さんは、スライドを使って娘の花菜(かな)さんが誕生してから12歳で事故死するまでを紹介。「花菜を失って命の重さを痛感した。他の子の元気な姿を見るのがつらい時期もあったが、今は立派になった同級生が家を訪ねてくれるのが宝になっている」と話した。
また、事故を起こした静岡県立三ケ日青年の家が再発防止に取り組んでいることに触れながら、「救えたはずの命のことを絶対に忘れないで」と訴え、「他人を尊重することが命を守るキーワード」と結んだ。
講演後、西野さんは「亡くなったときの花菜と同じ中学生を前にして感情があふれてしまったが、子どもの命は親にとっても支えであることが伝わったと思う」と話した。(本井宏人)
(引用おわり)