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<静岡新聞より引用>
ボート事故 若手教員に伝える
校外学習の安全 率直議論
2010年、浜名湖で県立三ケ日青年の家(浜松市北区)のカッターボートが転覆し死亡した愛知県豊橋市立章南中1年の女子生徒=当時(12)=の父(59)が30日、同市内の小中学校に勤務する3年目教員の研修会で「校外学習の安全管理について」と題し講話を行った。
同事故以来、父親が教員を前に話すのは初めて。椙山女学園大(名古屋市)の教育学部生に父親が毎年、事故の再発防止をテーマに講話していることを受けて、豊橋市教育委員会が招いた。
父親は、荒天の中、引率教員の多くが危険を認識しつつボート訓練を実施し死亡事故につながった経緯を説明。(1)教員は不安を感じながらなぜ校長に中止検討を申し入れられなかったか(2)なぜ直前の気象状況を確認しなかったか(3)なぜ乗船者名簿を施設に事前提出しなかったか-など“五つのなぜ”を投げ掛けた。教員約90人は真剣な表情でグループごと率直に議論した。
今月、愛知県豊田市で小学1年男児が熱射病で亡くなった事案など学校管理下での死亡例に触れて「似たようなことが繰り返されている。原因や背景を学び生かして」と呼び掛けた。父親は講話後、取材に応じ「3年実践を積んだ先生とあって議論が具体的で、良い機会だった。事故を経験したからこそ豊橋市が学校安全の全国モデルとなり、それでこそ娘の命が生かされる。感じたことを持ち帰って共有し、自然相手に自分ならどう判断するかイメージしてみてほしい」と話した。
浜松市中区出身の教諭(25)=豊橋市立羽田中=は「中学2年時に三ケ日でカッターボート訓練に参加したことがある。その2年後に事故が起きた。安全管理が人任せではいけないと強く感じた」と振り返った。<引用おわり>