2024年6月18日 事故から14年が経ちました。
今年もこの日を静かに迎えることができました。何年経っても6月18日はどこか気持ちが重たくなります。一方、6月はたくさんの方々がお参りに来てくれます。花菜に向き合ってくれます。そんなみなさんの姿に触れると、私の重たくなりがちな気持ちは、「花菜の命を生かすこと」に切り替えが出来ている感覚もあります。
今年の6月18日は、朝から強い雨が降りました。この日の激しい雨音は、あの日を甦らせてしまいそうですが前を向きます。これからも強い気持ちで、子どもたちの命を守る大切さを伝え続けて参ります。
西野友章
<静岡新聞より引用>
浜名湖事故あす14年 カッターボートの海洋活動本年度限り 三ケ日青年の家、子どもの負担軽減理由
浜松市浜名区の県立三ケ日青年の家が、静岡県内の青少年教育施設で唯一のカッターボートの海洋活動を本年度限りで終了することが16日までに、同施設への取材で分かった。
ボートの老朽化や児童生徒の体力的な負担軽減が主な理由。2010年に愛知県豊橋市立章南中1年の女子生徒=当時(12)=が亡くなったボート転覆事故から18日で14年。来年度以降は、17年度に導入した双胴船「ダブルハルカヌー」で海洋活動を継続していく。
「ボートの安全性と子どもの体力低下の影響を考えた苦渋の決断」。施設の御園崇所長(48)が決定の経緯を説明した。事故以前から長年使用してきたボートは、浮力体の老朽化が進んでいるという。夏季の猛暑が顕著になり、活動中の体調管理の重要性が増してきた状況も背景にある。
カッターボートは艇長を含めて30人乗りの9メートル艇と20人乗りの7メートル艇の2種類。櫂(かい)が1本約4キロと重く、総重量は1トン以上になる。太陽光の照り返しも強いことから、同施設は近年、活動中の熱中症対策に重点を置いてきた。
一方、12人乗りのダブルハルカヌーはパドルが約500グラムで、総重量はボートの約3分の1。ボートと比べてこぎやすいため、子どもの体力的負担は軽く、安全性が高いとされる。
ただ、活動の難易度が下がるほか、ボートを体験できる施設が県内から姿を消すことになり、連帯感や達成感など教育的な効果の観点で学校側から継続の要望もあったという。
同施設は、転覆事故後に海洋活動を再開して以降、安全対策や緊急時対策のマニュアルの確認、改訂を繰り返してきた。御園所長は「要望を聞き、これまでの安全に向けた取り組みが理解されていると感じた。カヌーでも、子どもたちが満足できるプログラムを模索していきたい」と話す。
女子生徒の父(65)は「娘の命を生かすために研修活動自体は萎縮してほしくないと考えてきた。残念な気持ちはあるが、ボートからカヌーに形が変わっても、海洋での学びの機会は継続されると期待している」と願った。
■浜名湖のボート転覆事故 2010年6月18日、三ケ日青年の家で海洋活動中の豊橋市立章南中1年生ら20人が乗ったカッターボートが悪天候で航行不能となり、えい航中に転覆。ボートに閉じ込められた女子生徒が死亡した。出航時、大雨、雷、強風、波浪、洪水の注意報が発令されていた。14年度から三ケ日フィールドパートナーズが指定管理者となり、16年度に海洋活動を再開した。
<引用おわり>
<中日新聞より引用>
命の大切さ胸に 合唱や群読
浜名湖ボート事故14年
豊橋・章南中 西野さん追悼
浜松市の浜名湖で海洋活動中のボートが転覆し、豊橋市湘南中学校1年の西野花菜さん=当時12=が亡くなった事故から14年を迎えた18日、同校で追悼行事があり、在校生らが西野さんをしのび、命の大切さを再認識した。
全校集会では磯谷奏実生徒会長(14)が「後輩としてできるのは命の大切さを考え、前向きに生きること」と呼びかけた。事故当時の教職員らが作った歌「未来へ」を全校生徒約240人で合唱したほか、この春に校内でセリフを募って創作した群読を披露。「みんなが生きている」「みんながいるから」など、生きる希望や勇気を与えるような言葉を分かち合った。
事故は2010年、章南中の1年生18人と引率教員2人が乗ったボートが悪天候で転覆し、ひっくり返った船体内側に閉じ込められた西野さんが亡くなった。
市教委は事故を教訓にしようと6月18日を「豊橋・学校いのちの日」と定め、この日を中心に市内各校で命に関する教育を展開。住田政太郎校長は「教職員の危機意識を問い直す日でもある」と話していた。
海洋活動の拠点だった静岡県立三ヶ日青年の家(浜松市浜名区)では18日、再発防止のための研修があった。西野さんの慰霊像の前で黙とうした県教委教育部の宮崎文秀理事は「全てに安全を優先する信念で、青年の家を含む各青少年教育施設の安全体制を構築し、強化していく」と誓った。
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<東日新聞より引用>
2010年6月18日、浜名湖(静岡県浜松市)で野外活動中にカッターボート事故で亡くなった豊橋市立章南中学校の西野花菜さん(当時12)を悼む「学校いのちの日」の行事が18、19両日、同校で開催された。全校生徒243人が参加。西野さんの冥福を祈り、命の大切さを確かめた。
18日は、2回にわたる全校集会と講演会があり、黙とうの後、西野さんの生前の絵と言葉をしたためた旗の紹介や、全校生徒から集めた「友達と自分に生きる希望と勇気を与える言葉」の群読があった。
講演会では、校区内に住む廣中郁子さんが、重い障害により寝たきりの娘、暁帆さんと共に来校。「深まる感受 心のつながり」の演題で世話を続けるうちに、暁帆さんの伝えたい気持ちが脳内で感じられるようになった体験などを話した。
19日は、運動場で黄色の風船を空に放つ「バルーンリリース」が行われた。住田政大郎校長が「思いが花菜さんに届くよう静かに見送って」と呼びかけ、生徒たちは追悼歌「未来(あした)へ」に乗せて、一斉に手を離した。
生徒会長の磯谷奏実さんは「この2日間で、生きていることや周囲に支えられていることを実感した。支えてくれる人のためにも、前向きに生きようと思う」と話した。
豊橋市は、6月18日を「豊橋・学校いのちの日」とし、全市一斉に命に関わる取り組みを行う日と定めている。住田校長は「教職員が安全管理の気持ちを引き締める大切な日としたい」と話した。
<引用おわり>