豊橋市の教員研修会に講師として参加しました。(2019年7月31日 豊橋市教育会館にて)
「校外学習の安全管理」について、豊橋市の教員の方々と研修会を行いました。3年目の若い教員たち83名と約100分、いっしょに考える時間でした。9年前のこの事故について、「なぜ学校の授業の中に生徒が命を亡くすことになったのか」「どこに問題があったのか」「繰り返さないために誰がどんなことをしなければならないのか」など、みんな自分のこととして考えていることが伝わりました。この事故から学んだことを実践して下さい。どうか花菜の命を生かしてください。花菜のことを忘れないでください。
<朝日新聞より引用>
浜名湖ボート事故遺族
「生徒の命守って」講演
2010年6月浜名湖(浜松市)での学校行事中にボートが転覆して死亡した西野花菜さん(当時12)の父・西野友章さんが31日、豊橋市の若手教員の研修で講演した。昨年に続き2回目で、「生徒の命を守るため、主体性を持って安全確保に取り組んでほしい」と呼びかけた。
豊橋市立章南中1年生だった花菜さんら生徒18人と教員2人は、手こぎボート搭乗体験中に悪天候で動けなくなり、モーターボートで引航される際に転覆。花菜さんは湖に投げ出されて亡くなった。西野さんは「なぜ、天候が悪いのに訓練を実施したのか」「なぜ、転覆したボートから生徒を残し教員2人が先に救助されたのか」といった5つの疑問を投げかけた。参加した3年目の教員83人は10組に分かれて議論した。
昨年、市教育委員会からの依頼に西野さんがこたえ講演が実現した。西野さんは「花菜はもう帰ってこない。せめて事故の教訓を生かして、学校現場で子どもたちの命が失われることがないようにしてほしい」との思いで昨年に続き講師を務めた。静かな口調で教員に語りかけた西野さんは、最後に「花菜のことを忘れないで下さい」と呼びかけ、マイクを置いた。
研修に参加した牛田舞さんは、勤務する市立中学校の生徒が昨年、登校中に交通事故で亡くなるという経験をした。「事故前に交通安全についてきちんと伝えることができていたのか、とても悔しい思いがある。生徒の命を守ることを第一に、冷静な判断ができる教員にならなければいけないと感じました」と話した。
(引用おわり)
<中日新聞より引用>
主体的に生徒守って
豊橋 若手教員にボート事故遺族
若手教員向けの研修会が、豊橋市教育会館であり、2010年の「浜名湖ボート事故」で娘を亡くした西野友章さんが、「校外学習の安全管理」をテーマに講義した。
事故は、浜松市の浜名湖で野外活動中に発生。豊橋市章南中の1年生18人と教員2人が乗ったボートが、悪天候で航行不能となった。えい航中に転覆し、西野さんの長女花菜さん=当時12=がボートに閉じ込められ亡くなった。
研修会には、学校行事の立案に関わり始める3年目の小中学校教諭ら83人が参加した。西野さんは状況を説明した後「なぜ教員は校長に中止検討を申し入れなかったか」
など5つの疑問点を提示。教諭らは10グループに分かれ討論した。
教諭からの意見を聞いた西野さんは「(事故では)『無理してでもやらせてあげたい』という気持ちが、安全最優先をぼやかしてしまったのでは。生徒を引率して安全を守るのは誰なのか、主体性を持って考えてほしい」と呼び掛けた。討論後には「花菜はもう戻ってこないが、せめてこの死を生かしてほしい」と訴えた。
<引用おわり>