2015年6月17日 第4回公判は、県営時代の三ケ日青年の家元の証人尋問が行われました。
3月末に始まった初公判の時は、裁判所前の駿府城公園では見事な桜でした。今日は紫陽花がきれいでした。
5年目を迎える6月18日の前日に行われたこの日の裁判、妻も少し不安定な心で傍聴していたと思います。
<元所長の証人尋問>
県営時代の三ケ日青年の家、元所長の証人尋問が行われました。焦点は指定管理者小学館集英社プロダクションへの引き継ぎに関することでした。
引き継ぎはやはり不十分だったと、証言を聞いて感じました。引き継ぐ方、引き継がれる方、また、その業務を責任も持って指導監督する立場の静岡県、どこかがもっと安全確保に踏み込んでいれば、花菜の命は救えたんじゃないかと感じました。
「安全安心が最優先」としながら、人員不足の理由で、積極的に所員の乗らない「自主艇」を選択し、カッターボート訓練は「経験や感に頼る部分が多い」としながら、伝わりにくい口頭での引き継ぎなどは、無責任と感じました。
ましてや3年4年で変わる人事の中、また、指定管理に移ることは3年前からわかっていたにもかかわらず、書面でのルール、手順のマニュアル化は少なかったようです。
この引き継ぎ業務、それぞれの立場に無責任さを感じました。この静岡県立三ケ日青年の家が、こどものいのちを預かる教育施設なら、引き継ぐ方、引き継がれる方、それを指導・監督する方、それぞれがもっと、形式だけではなく責任を持って取り組んでほしかったと思います。
次回は、7月1日(水)10時から静岡地裁で、いよいよ元校長の証人尋問が行われます。
(西野)
<関連報道>
2010年、浜名湖で起きたボート転覆事故で、業務上過失致死の罪に問われた同施設元所長の男(57)=東京都=の第4回公判が17日、静岡地裁(佐藤正信裁判長)で開かれた。
被告の前任の所長だった男性(61)の証人尋問が行われ、事故につながったボートのえい航方法について「マニュアルなどは作らず、新たな所員に対する訓練などを通じて引き継いだ」と証言した。
三ケ日青年の家は10年3月まで県が運営し、4月から指定管理者の運営に移行した。男性は県営時代の07年4月から3年間、所長を務めた。
男性はえい航の留意事項について「さまざまな状況が想定される中、マニュアル化するのではなく経験を重ねていくものと認識していた」とし、「県営時代から勤務する所員が残り、移行後も訓練を重ねていくと思っていた」と話した。
事故当日の現場付近は午前中に雨が降り、午後には大雨などの注意報が出ていた。実施判断については「注意報発令時の規定は設けてなく、天候状況を確認しながら可否を決めていた。そういった対応については当時の所員が引き継ぎをしたと思う」と語った。
◇捜査長期化 公判は3月に開始
浜名湖で県立三ケ日青年の家のボートが転覆し、愛知県豊橋市立中の女子生徒=当時(12)=が死亡する事故が起きたのは2010年6月。関係者の過失責任を問う捜査は長期化し、静岡地検が刑事処分を決めるまでには4年7カ月を要した。業務上過失致死の罪に問われた同施設元所長の男(57)=東京都=の公判は3月に始まったばかりだ。
国の運輸安全委員会は12年1月、ボートをえい航した元所長の男の知識・経験不足や、気象注意報発表時の訓練中止基準の不備、マニュアルを整備させないなどの県の指導不足を原因とする調査報告書をまとめた。
細江署と県警が元所長の男や県教委の職員、指定管理者の社員など計6人を業務上過失致死容疑で書類送検したのは13年2月。静岡地検が元所長の男だけを在宅起訴し、残る5人を不起訴処分にしたのは今年1月だった。
5回目の公判は7月1日、当時の中学校長の証人尋問を予定している。
<引用おわり>
安全確保向けた 引き継ぎ足りず 浜名湖ボート公判で証言
浜松市の浜名湖で2010年、県立三ケ日青年の家主催の体験訓練中に手こぎボートが転覆し、愛知県豊橋市の中学1年生西野花菜さん(当時12)が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた青年の家元所長檀野清司被告(57)の公判が17日、静岡地裁(佐藤正信裁判長)であった。
前任所長の男性(61)が証人として出廷し、「指定管理者側の都合で引き継ぎ期間が短縮された」などと証言。体験訓練の安全を確保するための引き継ぎが十分でなかった可能性があることを明らかにした。
青年の家は2010年4月から指定管理者の小学館集英社プロダクションの管理となったが、男性によると、当初は数カ月前から引き継ぎを始める意向だったが、直前の3月からに変更されたという。
男性は「ボートのえい航訓練などは時間を取り、丁寧に行いたかったが、指定管理者側の都合で短縮された」などと証言。安全管理のためのルールはもともと明文化されておらず、ベテラン職員に理解に任せた状態だったとも明かした。
<引用おわり>