東海北陸地区の青少年教育施設の職員が集まる研修会で講演しました。(2019年11月7日 

静岡県立三ケ日青年の家にて)



事故現場の三ケ日青年の家で講演しました。ここで花菜が亡くなったと思うと、気持ちが高ぶり引き締まり、少し浜名湖をにらみつけました。今回は東海北陸地区の青少年教育施設の研修会です。職員が80名ぐらい集まる中、浜名湖のボート事故について、野外活動の安全を訴えました。この地区の野外教育活動を萎縮させることなく、安全を高め、より充実した自然体験ができるプログラムを提供してくださいとお願いしました。そのことが、花菜の命を活かすことだと訴えました。

 

2019年11月7日 西野友章


 (中日新聞より引用)

 

「中止検討せず残念」

花菜さんの父、三ケ日青年の家で講演

 

 

二〇一〇年六月に、浜松市北区三ケ日町の浜名湖で校外学習中にカッターボートの転覆事故で水死した愛知県豊橋市立章南中一年の西野花菜(かな)さん=当時(12)=の父友章さんが七日、事故現場に近い静岡県立三ケ日青年の家で開かれた東海北陸地区青少年教育施設協議会の研修会で特別講演した。

 西野さんが同青年の家で講演するのは初めて。七県で教育施設運営に携わる職員約八十人が集まるのを好機と捉えた同青年の家の城田守現所長の依頼を快諾した。関係者によると、自宅で難病と闘う妻が車いす生活を送るため、これまで愛知県外での活動を控えてきたという。

 西野さんは「野外活動における安全管理について」と題し、悪天候の中で起きた事故状況などを画像を交えて詳しく解説。「なぜ学校は荒天にもかかわらず中止できなかったのか」「なぜ施設は安全を確保する立場でありながら出航させたのか」など、今も抱き続ける疑問点を挙げ、「(荒天下の)実施の判断には学校がもっと関わるべきだった。予報通り天気が荒れた中で、中止を検討しなかったのは残念でならない」と語気を強めた。

 事故を機に今年七月まで、豊橋市内の学校が浜名湖での海洋活動を中断していたことを残念がる。「萎縮はしてほしくない。施設を利用する学校にも役割はある」と、思考停止に陥りがちな学校運営に警鐘を鳴らした。

 事故後の刑事裁判では当時の青年の家所長が一五年に有罪判決を受けたが、当時の校長は不起訴となり、遺族が静岡検察審査会に不服を申し立て、検審は不起訴不当としたが、静岡地検は一七年三月、再び不起訴とした。

 

(引用おわり)

 

 


(静岡新聞より引用)

 

事故教訓に安全確保」

浜名湖・ボート事故 西野さん父講演

 

 浜松市北区の三ケ日青年の家で7日、東海北陸地区青少年教育施設協議会運営研究大会が開かれ、2010年に同所でのボート転覆事故で亡くなった西野花菜さん=当時12=の父友章さんが特別講師として講演した。

 「野外活動における安全管理について」と題し、事故の詳細を説明しながら学校や施設の役割、教訓を生かすことについて語った。

 

 事故は大雨、雷、強風などの注意報が発令された中、施設の意見に学校が従う形で出航して発生した。友章さんは「学校と施設はなぜ、荒天にもかかわらず中止できなかったのか、話し合わなかったのか、施設はなぜ出航したのか。こうした疑問を掘り下げることが教訓になる」と強調。「学校は主体性を持ち、施設は学校方針を理解し専門的観点から役割を果たすことで安全を確認する重要な役割がある。皆が一緒になって子供を守る教育活動を進めてほしい」と力を込めた。

 

(引用おわり)

 


(読売新聞より引用)

 

ボート転覆 遺族が講演

浜松 県内外施設に再発防止訴え

 

 2010年に浜名湖で起きた体験学習中のボート転覆事故で、中学1年の西野花菜さん(当時12歳)を亡くした父親の友章さんが7日、ボート体験を実施した浜松市北区の県立三ケ日青年の家を訪れ、県内外の青少年教育施設の職員らに対して講演した。友章さんは「花菜の事故後も全国で類似の事故が起きている。教訓を生かしてほしい」と訴えた。

 

 事故は10年6月18日、愛知県豊橋市立章南中の生徒ら計20人が乗ったボートが転覆し、花菜さんが溺死した。荒天の中で訓練を強行したことや乗船者名簿が提出していなかったことが問題視され、教育施設の安全管理体制が見直される契機になった。

 

 友章さんが三ケ日青年の家を訪れたのは、事故から1年の追悼式典以来、約8年半ぶりで、この日の講演は、東海北陸地区の青少年教育施設の協議会にあわせて行われた。

 

 県内外から集まった施設職員ら約90人を前に、友章さんは、安全管理のためのマニュアル整備のための重要性や、職員同士の有事の際の連携強化などを訴えたうえで「花菜の死を無駄にしたくない。誰が子どもを守るのか明確にして、教育活動を進めてほしい」と語った。

 

(引用おわり)